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「コミュニティ・スクール」とわたしたちの力

「教育における地方分権」は、究極的には親や地域の人たちと協働することで学校を管理運営していく「コミュニティ・スクール」の実現に結びつくことになる。

コミュニティ・スクールは、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」(平成16年6月)が改正されて実現することになった新しいタイプの公立学校で、教育委員会の判断に基づき、保護者や地域の人々が、合議制の機関である学校運営協議会を通じて一定の権限を持って学校運営に参画するシステムを採用している。そこでは学校の裁量権が拡大され、全国一律のサービスを目指してきた公立学校が地域のニーズに応えることのできる学校への転換を実現する方向の一つとして注目されている。

その背景や具体的な姿については、代表的な提唱者である金子郁容氏らによる「コミュニティ・スクール メインコンテンツ(http://www.cmr.sfc.keio.ac.jp/cs/cs-top.htm)」や文部科学省による「新 学校宣言!(コミュニティ・スクールについて)」(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/community/index.htm)に、研究指定学校の実践やこれまでの経緯、その他詳しい、資料が見られる。

コミュニティ・スクールの課題は、なんといっても学校運営協議会の委員を「コミュニティ」の代表者としてどう選ぶか、また「コミュニティ」とは何を意味するか など、公立学校の公共性を保持する方向で運用できるかどうかという点にある。

このことはとりもなおさず、そこに参画する私たち地域住民がどれほど活動的な市民性を持っているかどうかという要因によるところが多い。その点からも果たして私たちにそれをやり遂げる力があるであろうか。それには試行錯誤と多少の失敗を前提として、ゆっくりと育てていくという社会の側の余裕も必要であろう。

大阪には今のところ「コミュニティ・スクール」として指定された学校はないが、あくまで地域を大切にし、学校選択性とからめないように実施できるのであれば、それは多様な地域との連携を大切にする大阪の将来の学校のあり得る姿の一つと考えられてもよいだろう。

金子氏らの『コミュニティ・スクール構想』(岩波書店)では「コミュニティ」はいわゆる学区を中心とする「ローカルコミュニティ」ではなく、「テーマ・コミュニティ」、すなわち「教育についての考え方やビジョンを共有し、それぞれの人が自分の役割に応じた貢献をすることで成立する学校」(p.160-161)だと考えられている。このとき、その「教育についての考え方やビジョンを共有」しない人たちの考えは反映させられない。「テーマ・コミュニティ」であれば、そのコミュニティはいわゆる「学区」に制限しなくてもよいことになる。「学区」を超えて学校がつくられるのであれば、学校選択制と親和性を持つ制度にもなりやすい。筆者としては「コミュニティ・スクール」における「コミュニティ」はあくまで様々な立場の人々が住む「ローカル・コミュニティ」であるべきではないかと考える。もちろん、この場合学校はそうした様々な立場やテーマもつ人々の考えを民主的に調整する場となる必要がある。この点で、「テーマ・コミュニティ」にもとづくコミュニティ・スクールよりも運営面で問題を抱えやすいのは事実であろう。しかし、そうすることこそが公共性の担保にとっても重要ではないだろうか。

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